半農半菓
意識的に生きる(22)    〜Keep Paddling!(漕ぎ続けろ!)〜
2008年9月4日
先日、佐合島へ渡った夕刻、本土側へカヤックで帰る。
往路とはうって変わった凪いだ海。
目的の山を目印に、ただひたすらオールを漕ぐ。
のんびりと漕ぐ。

ふと、シーカヤックで海を渡る、ということと、人の人生を重ねてみる。
(たった一回近距離を往復しただけで偉そうなことは書けないんだけど、
漕いでたら思い浮かんだことなので・・・)

カヤックの操作の基本は、いたって簡単だ。
前へ進む。
向きを変える。
バックする。
基本的にはこの3つしかない。
あとは目的地を見据えて、前へ進む漕ぎ方をするだけだ。
もし目的地の方向から逸れていることに気付けば、向きを変える。
カヤックの場合、こう漕げば前へ進み、こう漕げば方向を変えれると理解できているから、
そして体がその動作を覚えているから、目的地にたどり着ける。

ところが、人生の場合そうもいかない事が多いらしい。
思うようにならないと、みな悩む。
でも、舟の漕ぎ方と同じで、現実の出来上がり方に法則があるとすれば、話は別だ。

「意識が現実をつくる」という現実創造の法則に照らし合わせてよく観察してみると、
どうも合点が行くことが多い。
もっとゆっくりしたいと思いつつ、「時間がない、ない」と思い、
もっと幸せになりたいといいながら、不平や愚痴をこぼし、
もっとお金が欲しいと思いつつ、お金を・・・。
それはカヤックでいえば、前へ進みたいと思いつつ、後ろ向きに漕いでるようなもの。
あるいは前にひと漕ぎ進んで、返す手で後ろ向きに漕ぐ、みたいな。
3歩進んで2歩下がるってやつ。
(何でそうなのかわからない人は、過去の「意識的に生きる」シリーズを読んでね。)

ストレスを感じてるときというのは、だいたい望む方向に進めてないとき。
何で同じこと繰り返してるんだろ?とか、
何でいっこうに実現しないんだろうとか、
そんなときは、ちょっと漕ぐ手を休めて、自分の目的に添わない漕ぎ方をしてないか、逆向きに漕いでないか、チェックしてみるといい。
だいたい自分の望む方向と反対向きの意識、価値観を握り締めている自分を発見する。

それともう一つは、向かう方向。
今日はこちらの島を目指してたかと思えば、
1時間後には不安になって、あちらの島に変える。
あるいは、どうせできないと思って、元来た方へ戻る。
これでは、いつまでたっても目的地にはたどり着けない。
「あなたは雄鶏が鳴くまでに、3度私を否定するだろう」とか言ったのは、確かイエスさんだったかな。(違うかも・・・)
それほど僕らは、進む道を迷う。

だから、目的があるのなら、
たどり着きたい状態があるのなら、
方向をコロコロ変えないこと。
漕ぎつづけること。
ただし、行きたい方向に進む漕ぎ方で(これがミソかも)。

これさえ押さえておけば、僕らは必ず目的の島へたどり着ける。

そして必ずたどり着けると知っているからこそ、
手を休めて景色を眺め、魚と戯れ、風を感じて、今を楽しめる。
道草もできる。
海の上を自由自在になる。

だから、まずはどう漕げば、思う方向へ進むかという仕組みを知ること。
そして意識しなくてもそう漕げるように慣れること。

それさえできるようになれば、僕らはこの広い世界を自由自在に進むことができるようになる。
目的の島があれば、たどり着ける。
Keep Paddling!
漕ぎ続けさえすれば。
必ず。

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