半農半菓
時間どろぼう(3)  〜強制される経済成長〜
2008年12月15日
前回の村の話に戻りましょう。
村に流通しているお金は1000万円。
それだけなら、経済は成長させなくてすみますが、
100万円の利子がつくことで、1100万円つくらなければならない。
つまり、100万円分売上を増やさないといけない。
100万円分、経済成長しなければならないのです!!

村全体としても成長し続けなければ、毎年増えていく利子分が、払えない。
このことは、利子のシステムにより、経済成長を強制されているともいえます。
経済成長が止まると、社会が行き詰り始めるのは、そのためなのではないでしょうか。

そして、利子も経済成長率も複利計算によって計算されます。
ところが、自然界の構成要素に複利計算で成り立つものはありません。
土地は毎年毎年広がらないし、雨も太陽エネルギーもしかり。
一見、複利的に生産が増えたように見えたとしても、
それは、条件が限界に届くまでの話。
この虚構の経済成長の中で、資源は乱獲、乱伐され、
頭打ちになり、やがて行き詰ります。
石油も、森の木々も、魚たちも、・・・。

経済上の計算は、複利計算で無限に増えていく。
でも、現実は有限。
このギャップを埋めるために動員されてきたのが、地球環境であり、第3世界の人々であったりしたわけです。

根本のシステムを考え直さない限り、
いくら声高に環境保全を訴えようと、平等を訴えようと、解決には向かわない。
世界中に存在するすべての問題の根本に横たわるもの、
それこそが、このお金の問題なのではないでしょうか。

複利計算を前提にした現在の経済システムの行き着くところは、
地球環境の破壊か、
社会環境の崩壊か、
もしくは、スクラップアンドビルド、つまり戦争を起こすか、
通貨そのものが100年以内に一度破綻するしかない。
(日本でも戦後そうだった)
それを前提にしたシステムだということになります。

<参考>

◎第3の道へ
http://oh-shita.com/slowlife/essei/32.html
成り立たない経済成長のことを書いてます。

◎ヒノキ?ケヤキ?
http://homepage3.nifty.com/ccmitaka/what_money/interest_2.html
利子のシステムがどのようにして自然環境を二の次にしていくか、
わかりやすく説明されてます。
ぜひ、覗いてみてください。
複利計算のような倍々ゲーム的な増加は、自然界では癌細胞やネズミの異常発生など、
最後は急速な死をもって終わるものばかりだというのが、おもしろい。

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