半農半菓
中塗り
2009年1月31日
何十回も同じところを抑え込んでいく
何十回も同じところを抑え込んでいく
年末、荒壁を塗り終えた例の家。
だいぶん乾いてきたので、中旬から外の板壁を張り、
今週頭から中塗りをしてる。

一応説明すると、土壁は、普通三層構造になってる。
荒壁といわれる下塗りと
中塗り、
仕上げに表面に漆喰や珪藻土なんかを塗る。

本来、荒壁を塗って半年から1年おいて中塗りを塗る。
土が乾いて完全に縮みきり、空いた隙間に中塗りの土を塗り込むことで、年月経っても隙間の空かない壁になるからだと思うが、現在そこまで時間をかける家はほとんどないだろう。
ま、土壁の家自体、ほとんどみかけないが。
今の経済の中では、建築途中に数か月、間をおく土壁は、人を雇って給料を払わなければいけない工務店にとって、段取りをつけにくい要素もあるのかもしれない。

荒壁が、細かい石混じりの土とわらの太いところも使うのに対し、
中塗りの土は、ふるって荒い石は除いた、目の細かい土を使う。
そして、砂と「すさ」と呼ばれる細かい繊維と「ふのり」、
これらをよく練り合わせて作る。
(たぶんね)

中塗りは、左官屋さんに全面的にお願いした。
しかし、さすが本職。
僕らが塗って波打ったところもある壁の表面が、
一枚板を張ったように、完全な垂直面に仕上がった。
(「完璧」って言葉は、ここからきてるんだ!と今、気がついた。)
そして、気を練り込むように、
何回も何十回も、同じところを抑え込んでいく。
ほんと、一枚の土色の板を張ったみたい。
さすがにこれは熟練の技。
素人にまねできないな、と感服。

今回はこのまま中塗りの状態で、出来上がりということにしようと思う。
漆喰とかの上塗りをしないで、中塗りで仕上げとするから、中塗り仕上げというらしい。

今は濃いコーヒー色だけど、乾いてきたら、どれくらいの茶色に落ち着くか。
楽しみだ。

いつか気が向いたら、漆喰か珪藻土を塗るかもしれないけどね。

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