半農半菓
時間どろぼう(7)  〜ナナメからのアプローチ〜
2009年3月9日
お金に追われ、時間に追われる現代社会。

ここから抜け出すには、二つの観点からのアプローチがある。
一つは意識レベルのアプローチ。
どのような現象も、僕らの意識が作りだしたものなのならば、
望む現実、望む社会も僕らの意識のあり様が決めるはず。
このへんについては、「意識的に生きる」のコーナーに書いてきてるので、
そちらを。

二つ目は、システム的なアプローチ。
僕らがお金や時間に追われている一つの原因。
そしておそらくは、大きな原因。
利子のシステム。
それはあまりにも当たり前に、膨大に、そして僕らの生活すべてに張り巡らされている。

この仕組みを排除するということは、根本から社会を作りなおす必要がある。
田中優の言葉を借りれば、別な仕組みに社会を変えていく運動には、三つの方向性がある。
一つは縦のイメージ。
政府に働きかけるなり、自ら政治家になるなどして、上から下へ、下から上へと働きかける方向。
二つ目は横のイメージ。
隣の人に話すなり、ムーブメントを作るなりして、横の連帯を作る方向。
そして三つ目が、ナナメのイメージ。
それは、自分たちでまったく別な仕組みを考えて、実際にやってみせる方向だ。

縦や横の運動という方向は、
今までたくさんの人たちがやってきた。
一定の成果があったものもあっただろうが、
多くは、政府に働きかけても効果がなく、
まわりに働きかけても、反応を示してもらえず、手詰まり感や敗北感に打ちのめされてきた。
政治や社会は、人の意識、価値観の集合の結果に過ぎない。
そして他者を、周りを変えようという試みは、えてしてうまくいかないことを僕らは知っている。
ましてこの問題は、システムすべての根底に横たわる問題。
多くの政治運動が、NPO運動が、それ自体の資金運営に奔走しなければいけないという自己矛盾に陥っていく。

だから、ナナメからのアプローチ。
まったく別の仕組みを始めちゃいましょうよって話だ。
複利計算でなく単利で融資する「NPOバンク」。
利子のつかないお金を実際に仲間で作る「地域通貨」。
いろいろなアプローチがあるが、
その中のひとつに、「半農半X」という生き方がある。

それは未来の新しい社会のひな形であると同時に、
これから起こってくる経済の大変動の時代をゆるぎなく生き抜いていくための最大のセキュリティー。

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