たこふく
2009年3月30日
兵庫の実家に久々に帰ってる妻と子供たちを迎えに、島根から兵庫に向かう。
ところがたまたま、ETCどこまででも1000円の初日。 関西側に向かえば向かうほど、山陽自動車道は大渋滞。 中国道はガラガラだったけど・・・。 ちなみに僕は、ETCをつけてない。 日頃あまり必要がないんで。 けど、いたるところに故障車、いたるところに渋滞。 1000円しか払ってないやつらのおかげで、なんで正規料金を払ってる俺が高速に乗りながら時速20キロなん? という思いが一瞬、頭をかすめつつ・・・。 いやいや、別にいいじゃん。 ありのまま、ありのまま。 と、自分を諌めながら、一路関西へ。 余談は置いといて。 関西へ行ったついでに、大阪にたこ焼きを食べに。 実は昔世話になった人の息子さんが、たこ焼き屋2号店をオープンさせたのだ。 話はさかのぼること、1か月前。 前に紹介した「うーりー・うりす」の一団が、福岡からトラックでやってきた。 実はたこ焼き屋をオープンさせるのは彼らの弟。 改装に木材や板がいる。 それなら、うちのでよかったら、持って行きな、ってことで。 寝かしておいた銀杏の板。 雑木だけど、厚さ10センチ、長さ5メートルの一枚板。 ヒノキの丸太。 大きな松の梁。 そして、今切り倒して皮をむいたばかりの、 ヒノキの丸太。 昔の木の机、板戸、 などなど、2トン車満載で帰っていった。 近いうちに作業場をつくるのに、 ため込んでる木材や戸を整理したかったので、うちも助かった。 あれから1か月。 みごとに自分たちでほとんど手作りで店をオープンさせた。 作業場所がないから、 店の前のアーケードの中でトンテンカンテン木を切ったりしたらしい。 しかも手のこで。 ほとんど我が家から行った木材でできた店。 大好きなタコ焼きと両方楽しみに伺った。 銀杏と雑木の一枚板の2段カウンターが目に飛び込む。 天井にはうちの納屋の2階に眠ってた松の梁がドーンと横たわる。 寿司屋か和風バーにしてもいいような素敵な空間ができてた。 うちに眠ってた木たちが、命を吹き込まれてお客さんを癒す。 嫁に行ったわが子の幸せな姿を眺める親父の気分。 そのわが子の上に座りながら、たこ焼きを待つ。 さすが本場、 山口のたこ焼きにはないメニューがずらりと並ぶ。 ソースもいいけど、醤油もなかなかいい。 なかでも気にいったのは、 お好み焼きにたこ焼きを挟んだ「たこのみ焼き」230円。 えびせんでたこ焼きを挟んだ「たこせん」100円。 美味いのもさることながら、安さにびっくり。 やっぱ、関西、価格もシビアなんかな? ご飯のおかずにたこ焼きを食べる!という大阪。 次から次へとお客さんが並ぶ。 有名店と張り合いながら、2号店はたいしたもの。 客を出迎える面々をあらためてみると皆知った顔。 僕が世話になってた頃、小学生や中学生、高校生だった子どもたちだった。 今では20代、30代のすてきなお嬢さん、奥さん、若者。 うちの子たちとあまり変わらなかった子どもたちが、ちび助たちが、 今では立派に店をデザインし、作り、オープンさせ、きりもりし、笑顔で客を出迎える。 あれから20年たってるんだと初めて気付く。 そして自分もそれだけ年を経たんだと。 月日って、人生ってあっという間なんだな。 思えば、初めてのこぎりを触ったのも、その頃だった。 棚かなんかつくるのに、初めてのこぎりを持って、 まっすぐにも切れずに、先輩に「こんなこともできんのか」と叱咤されたのを思いだす。 23歳だった。 そんな僕が、今では、自分で家を建ててるのってのも笑える(^^;)。 きっと人は、どうとでも変われる。 無数の可能性がある。 誰でも、どうにでもなれる。 迷いの最中にいようとも、光が見出せなくても、 きっと道を見い出せる。 ぼくでもこんなに変わり、 あの子たちもこんなに成長してるんだから。 そして、20年という月日もまた、 あっという間でもあり、濃密でもあり・・・。 時間って、たぶんそうなのだ。 本来、存在しない。 今という一瞬の中に、 この20年の記憶が同時に存在してるように。 これから20年の可能性と未来も、きっと同時にすでに、今存在してる。 あのフラットランドの世界のように、 僕らが3次元の感覚にとらわれてるから、 見えずに迷うだけなのかもしれない。 そんな視点で、今という一瞬に身を置きながら、、 20年後の未来を 社会を、 子どもたちを、 自分のあり様を 想う。 描く未来は必ずやってくる。 どのような可能性も、この今という一瞬に内蔵されている。 僕らの心の内側に、描く姿のとおりに。 そして、どの可能性を選ぶかは、今という一瞬一瞬の積み重ねでしか、 きっとない。 そんなことを思わせてくれた忙しい最中の久々の遠出。 「たこふく」 場所は、尼崎商店街の一角。 そこらへ行ったときはぜひお寄りください。 美味いです。 |