持続可能な社会のモデル、田んぼ編3本柱
2007年9月9日
持続可能な社会のモデル、田んぼ編として僕が選んでるお米の作り方には3つある。
ひとつは言うまでもなく、川口由一氏の始めた自然農というやり方、というかあり方。 僕も何度もこのHP上で紹介しているので説明は省く。 個人の自給用の米作りとしては、これ以上のものはない。 ただ、山間部の水がほとんど入らないところでは、やっぱり耕して水をためれるようにした方が断然コメを作りやすいところもある(つまり普通の農法)。 あるいは、不耕起といっても、最初の年に、きっちり田の面の水平がとれていたほうがよく、水平をとるためには、一度耕して、代をかき、水を張ってみるのが一番簡単で正確だ。 また米作りには必ず畦塗りという作業が必要になるが、この耕す作業が結構女性にはきつい。 そういった耕すという作業を考えるとき、やはり機械力はあるとうれしい。 もちろん持続可能な範疇なら、だが。 そこで2年前から使っているのが、バイオディーゼル燃料。 これならここでつくることのできるエネルギー。 これで、ディーゼルの機械を動かし、農作業をする。 やり方は普通の耕す米作り。 これが二つ目の柱。 さて、みんなが一反百姓になれば、自然農で十分だが、 そうでなければ、当然誰かが、余分にひと様のお米を作る必要がでてくる。 自然農というやり方は、自給用として小さな面積をするには、最高のやり方だが、農家のように一人が広い面積で米作りをしようとすると、とても大変でできない。 かといって、今のようにエネルギー多消費型の大型機械農業では、石油を使わずに、バイオ燃料に切り替えたって、必ず行き詰るだろう。 限られた耕作面積を、食糧のために使うか、燃料のために使うかという選択肢をせまられるのは明らかだ。 とすれば、エネルギーを可能な限り使わずに、広範囲を超簡単にできるやり方が必要になってくる。 そこで三つ目。 粘土団子で有名な福岡正信じいちゃんの不耕起直播農法。 耕さず、田植えもせず、ばらまくだけの米作り。 夢みたいな話だが、出来た人がいるんだから、必ずできると僕は思っている。 ただあの有名なおじいちゃんが曲者で、彼の著作には、農法の詳しい実際はほとんどかかれていない。 すごく簡単にばらまけばできるように書いているが、簡単な作業だけに実際は、いろんなタイミングや加減に、知識と経験がいろいろ必要になってくる。 素人がやってもまず失敗する。 プロ向きのやり方なのだ。 かつて彼の山小屋に住みこんだことのある人の話では、本に書かれてないポイントが128はあるそうだ。 余談だが、あのじいちゃん、女の人にはやさしいが、男にはとてもきびしく、とにかく教えなかったらしい。 彼の粘土団子の作り方をじいちゃんから直接きちんと受け継いでいるのは2人しかいないらしく、二人とも女性だ。 彼のやり方をヒントに、不耕起直播という夢の米作りを完成させて、きちんとノウハウ化しようと思っている。 誰もやったことがないことに挑戦するのは、実に楽しい。 いや実は、自然農とバイオ燃料での米作りは、農法としてはもう完成されていて、いろいろ試してみて考える余地は少ない。 そういう意味では、もう僕の中には面白みは少ないのだ。 ただみんなそんなやり方ではできないと信じ込んでいるから、出来ることを実際に見せ、興味ある人に伝えるために続けているだけかもしれない。 いやもちろん、自然農の田に身を置くのは、気持ちいいからでもあるのだが。 まあとにかく、僕の中ではこの3本柱の米作りをしばらくは楽しんでいくことだろう。 |