半農半菓
僕のラマダン
2009年8月24日
イスラムの世界では22日からラマダン(断食月)が始まった。
今、世界人口65億の5人に1人は、夜明けから日没まで何も食べない。
ま、僕のいたケニアの町では、偽イスラム教徒も割合いて、陰でパクパク食べてる奴らもいたけどね。

さきやま先生に断食をすすめられたわけではないが、調子を崩したついでに、3日間、断食をしてみた。
飲むのはお茶だけの完全断食だ。

断食をするのも、20年ぶり。
20代のころ、何度か3日とか、4日の断食をしたことがあるが、
2日目くらいから、食欲との戦いで、まるで修行のようだったように記憶している。
その代り、断食後は、腸がすっかりきれいになったことと、
3日目くらいから、感覚が研ぎ澄まされてきて、冴えわたっていたことはよく覚えている。

今回は体調も悪く食欲もなかったせいか、食欲との戦いもなく、普通に3日間が過ぎて行った。
体の変化に気がついたのは2日目。
実はずっと微熱状態が続いていて、さきやま医院に行く前の日なんか、微熱程度なのになぜか起き上がれないくらい、だるさや妙な体の感覚を感じてた。
ところが断食2日目くらいから、急に体が軽くなった。
治ったと思って熱を計ると相変わらず微熱はあるんだが、自分で感じる感覚は完全に平常の状態。
3日目はさらに体が軽いので、ついいろいろ肉体労働をしてしまった。
水力発電の取水口のどろ出しとか。
汗びっしゃになって、シャワーを浴びてゆっくりしてたら、体は軽いけど熱い気がするので、計ってみたら39度5分あって、びっくり。
翌朝にはまた6度9分くらいの微熱状態に戻ったんだけど。
不思議なのは、9度5分あっても、頭もすっきり、体もだるくもなく、ただ体が熱いのは感じる程度なこと。

僕らの親の世代は、調子が悪くてもとにかく食べろとよく言うが、
(今回もさんざん言われた・・・)
どうなのだろう。

動物たちは、調子を崩すと食べるのをやめて、じっと横たわる。
体の中の自己免疫力、自然治癒力が活性化するらしい。
人もおそらくそうなのだと思う。
この3日間で、つくづくそう感じた。

断食をすると、体の中の五感以上のなにかが冴えわたってくる。
体の中でなにかばらばらでうまくつながってなかったものが、うまくつながってすっきりしていくのがすごく実感できた。
相変わらず微熱は続いてるんだが、体の中は不思議と軽くまったく平常どおり。

次の日行った2回目のさきやま医院。
免疫力の数値の回復に先生も驚いていた。
3日前はゼロだったらしいが、3日で12まで戻ることは珍しいらしい。
正常値は18らしいけど。

さてこの3日間、煎じ薬とほうじ茶だけだったわけだが、
断食明けの朝、
一杯の味噌汁のなんと美味かったことか。
最初の数口は、胃に届く前に食道あたりで染み込んでいった。
味噌汁に含まれるいろんな味や成分が一つ一つ手に取るようにわかる。
いろんな命がつながってくる。
感動、感激。

昼はお米も食べた。
そのまたなんと甘かったことか。

いつもと変わらない味噌汁とご飯なんだけど、
その美味さ、甘さ、多様なものに、いつのまにか気づけなくなっていたこと気づく。

調子を悪くして気づけること。
食べないから、気づけること。

そういうのもたまにはいいね。

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