半農半菓
我が家のエコライフ  〜大下流肥溜め〜
2009年9月2日
こりゃ楽ちん。
こりゃ楽ちん。
汲み取る柄杓
汲み取る柄杓
近頃はすっかり見ることのなくなった肥溜めなるもの。
昔は貴重な肥料として、大事にされていた下のもの。
今では僕らが毎日出すものは、水を流せばさーーっと目の前から消え去っていく。

お金をかけて整えられた下水道システムを通り、それらは一か所に集められ、お金をかけて処理されていく。
下水道代を払ってることもだが、これらの下水道システムの設備運営費を税金という形で負担してる。
僕らは、お金を払って、肥料を引き取ってもらい、
またお金を払って肥料を購入する。
考えてみれば、なんとアホらしいことか。

それともうひとつ。
地球環境の最大の危機は、
温暖化でもなく、オゾン層の破壊でもなく、
土の表層からミネラル分が流失していることだと言われ始めている。
人の健康も、微量元素といわれるミネラルが実は一番重要なことが最近の研究では明らかになりつつあるが、
そのミネラルの源が危機的な状況になっているという事実はまだあまり一般に知られていない。
かつては畑で採れたものは、人の口に入り、下から出て、また肥として畑にまかれて、
畑のミネラルはそこで循環していた。
また山のミネラルも、灰になり、またそこへ撒かれ循環していた。
それがこの数十年、田畑からとるだけとって、戻さなくなった。
山から取るだけとって、戻らなくなった。
田畑の表層から、ミネラル分がすっかりなくなっていくわけだ。

そこにあるもので生き、そこから出たものをそこへ返す。
そこから外れない限り、この世界は本来、完璧だったのだと思う。
循環を壊しておいて起こる問題を解決するために
僕たちは、時間と資源とお金をなんと膨大に費やしてしまってるのだろう。
そしてお金がない、税金が高いと文句をいう。


7年前、今の家に引っ越すにあたって、僕は汲み取りを選択した。
自分でくみ出し、畑に撒く。
天秤棒もやってみたけど、途中でこぼれたり難しい。
で、バケツを両手にえっちらおっちら。
これならなんとか。
だけど、やっぱり、汲み取るにしろ、撒くにしろ、けっこうな手間がかかる。
面倒くさかったり、くみ出す時間の取れないときは、業者に汲み取りをお願いすることもあったりした。
業者に頼めば、5000円くらいかかる。
楽はできるけど、金を払って宝を引き取ってもらうのは、あと味が悪かった。

そして、ユンボを手に入れたことから、ひらめいた。
ほんと横着できることには、頭が冴える。
農業用のタンクを運搬車に積んで、汲み取ったものを入れる。
運搬車で運び、ユンボで下ろす。
熟成させたものを畑にまくときは、
またユンボで運搬車に積んで、畑を移動しながら撒く。
これなら田んぼにも持っていける。
我ながら、画期的!

現代流の肥溜め。

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