半農人、着々と増える
2007年10月23日
今日、最後の稲刈りが終わった。
近郊の町、下松から来たHさん、「どうしても稲刈りをマスターしときたいから、残しておいてほしい」と電話があったのは、つい先週のこと。 火曜定休の料理店を経営されてるため、火曜しか稲刈りできないため、という。 夏、誰かの紹介で訪ねてこられて以来、実に熱心な方だった。 耕さない田の稲の実際にびっくりされ、来年から地元へ帰っての半農暮らしを決心された。 何度も足を運ばれ、しょっちゅう質問の電話があった。 そういう経緯があったため、あえて日曜のみんなでの稲刈り、稲を刈りきらずに残しておいた。 そして今日、稲の刈り方、結わえ方、はぜの作り方、掛け方、一連の作業をこなし、 マスターされた、と思う、たぶん・・・。 聞けば、もう11月で店を閉め、準備を始めるとか。 行動が早い。(年配の人なのに、、、、感心) 10年目の自然農の田の上で4人、秋の風が妙に心地よい日だった。 土曜は、山口市から車で2時間かけて、青年が来た。 今は仕事のかたわら、かやぶきの古民家を再生している。 来年、家が完成したら、アフリカへ1年間ボランティアに出るんだという。 そして帰ってきたら、田んぼを始める、と目を輝かせる。 彼が手伝ってくれたのは、自然農1年目の6畝の田んぼ。 そこはまた、いい出来だった。 1年の管理を手伝ってくれたNくんにも、感謝。 先週もどこかの稲刈りに参加してたらしいが、つかんだ感じがぜんぜん違うと、株の太さにびっくりしていた。 もう二人手伝ってくれていた老夫婦も、耕さずにこれだけできるのか、と口をあけていた。 山口の青年は、「来てよかったです。」と確実な手ごたえをつかんで帰っていったようだった。 いずれも、日曜のみんなでの稲刈りに参加できないから、と日をずらしての稲刈り講義。 「忙しいのにすみません」と、みんな云われるが、とんでもない。 僕はうれしいのです。 だってそれだけ本気だってことだし。 農のある暮らしをする人が増えるのに、僕がやってきたことが何らかの役に立つのなら、これほどうれしいことはない。 店休んででも、教えるよ、ほんと。 今年は他にも、田んぼを始めた一年生が2組。 1組は年金暮らしの夫婦。 1組は、農的暮らしをめざすすてきな養鶏やさん夫婦。 今までうちの田を体験、観察に来られてた人たちだ。 どちらも今年は耕した普通の田んぼだが、なにしろ米作りを実際に始めたのだ。 そしてどちらもとってもよくできていた。 1年目の収穫の手ごたえ、うれしいだろうなあ。 こちらもうれしくなる。 どの人も、実際に動き始める人たちだ。 まず動く、やってみる。 うまくいっても、いかなくても、続ける。 工夫する。 そんな人たちは、かならず自分なりのスタイルを確立する。 今年は見学者、質問の電話、メール、特に多い年だった。 俺、何屋だったかな? 最近自分でもわからなくなる。 ここんとこ、半農の暮らし方を目指す人がとっても増えた気がする。 着々と、世界の色は変わりつつあるのを実感する。 うれしい日々です。 |