半農半菓
ひまな親父  〜弥山道中記〜
2008年1月11日
大蛇とランデブー
大蛇とランデブー
山頂の巨石の上で
山頂の巨石の上で
紙食うなよ、しかもぬりえ。
紙食うなよ、しかもぬりえ。
正月気分、さめやらぬ1月6日、日曜日。
上の子3人を連れて、宮島へ渡った。
冬休みがもう最後なのと、僕が妙に弥山の頂上に行きたくなったからだ。
知ってる人は知ってると思うが、弥山の頂には不思議な巨石の群生がある。
というか、今は土と木々で覆われているが、弥山自体が巨石でできた不思議な山なのだ。
前にエッセイにも「古代からの手紙」でいろいろ書いた。
http://oh-shita.com/slowlife/essei/?n=17
http://oh-shita.com/slowlife/essei/?n=19
僕の勝手な推測だが、
ここも失われた古代の文明の名残だと思ってる。
宮島といえば、大鳥居、厳島神社が有名だが、
この有名な島のほんとの価値は、弥山なのだ。
あそこに平清盛が祭られる前から、ここは神聖な島だった。
特に弥山の頂の巨石群は、圧巻。
現代の技術では設置が不可能な巨石が組み合わされて?配置されている。
厳島神社には行ったけど、弥山はまだ、という人は、ぜひ一度行ってみて。

で、子供らに朝、
「山に登りたいか?石があるぞ。」と言ったら、
案の定、「行きたい!」というので、しめしめ。
嫁さんと赤ちゃんは家で留守番。

朝10時、出発。
フェリーで宮島へ渡ったのはもう昼過ぎだった。
ロープウエー乗り場まで1、2キロ。
まあ日暮れまでたっぷりあるから、今日は山頂でゆっくり時間を楽しもう、と思ってたら、
甘かった。
真くんだ。
宮島にはわんさか鹿がいたのを忘れてた。
正月2日も楽しんで歩かれた真くん。
http://oh-shita.com/slowlife/blog/?n=90
今日は鹿とおたわむれ。
進まない、すすまない。
1時間たっても乗り場への道の半分も進まなかった。
しかも。
今度は道の先のほうで人だかり。
「お、なんかやってるぞ」と言ったら、子供たち走ってったから、しめしめと思ってたら、
甘かった。
結局そこに1時間座り込むはめに。
そこはいろんな蛇を連れてきてる女性がハブエキスの販売に来てるデモの場だった。
で、2メートルを越す巨大なニシキヘビが2匹。
人だかりをかいくぐってうちの子たちが前にもぐりこんだら、
「はい、ぼく、ちょっと前に来て」
いきなり光(長男)が真ん中に引っ張られた。
で、写真のさま。
しばらく大蛇とランデブー。
蛇を巻きつけられても、意外に平然とした光に、内心驚く。
続いてマムシ(これは見慣れてる我が家の子たち)
ハブ・・・・。
で、はい、1時間。
3時を過ぎてしまったので、無理やり子供らを立ち去らせた。

ようやっとロープウエーに乗り、上の駅から山頂まで歩いて30分。
疲れたといって抱きつく真を抱っこして登るとさすがに息が切れたが、
頂の巨石に登ったら、もう最高。
子供らもいろんな岩に登っては、最高の笑み。

しばらく満喫しようと思ってたら、
真くん、どうもじっとしてる。
「まさか」と思ったら、案の定、・・・
大のほうだ。
念のため、オムツの替えを持ってきてたから、よかった。
が、それからが大変だった。
ここ山頂にはトイレも水もない。
夕方近くで人影もまばらになってたので、巨石の影の、でも日の当たるところに真を寝そべらす。
すぐ終わるはずだった。
が、ここにもたくさん鹿がいた。
真の大のにおいに興味をもってか、ティッシュに興味をもってかは知らぬが、
どんどん集まってくる。
十数匹の鹿に囲まれた。
彼らは飢えてた。
使用前、使用後のティッシュをねらって、食べようとしてくる。
それを防ぐのに、なかなかお尻が拭けない。
しょうがないから、光と愛を呼んで、両側のガードを頼んだ。
これでよしと思ったら、前のほうに置いたリュックサックに鹿たち、顔を突っ込んでは、
紙をむさぼり食い始める。
うそだろ〜〜。紙食ってるよ〜。
そういえば、ケニアの飢えた牛たちも町のごみ置き場のダンボールを食ってたなあ。
しかもまるで、ケニアで無防備な日本人観光客をねらう置き引きたちみたいなあざやかな手口だったよ。
またその紙が、昼ごはんに寄ったお店で、真と愛が書かせてもらったぬりえだった。
「アンパンマンが〜〜、うぎゃー」
真が泣き叫んで、暴れ始める。
まだお尻が拭けてないのに、ちょっと待て〜〜、
俺の手にカレーみたいのがつくやろ〜〜!
って感じで、息も絶え絶えになりながら、やっとオムツを替えた。

喧騒の果て、
ふと静寂に気がつくと、周りには鹿以外だれもいない・・・。
山頂の休憩所でおじさんにオムツを入れるビニール袋をもらいにいって、
ロープウエーの最終時間を聞いたら、
あと20分じゃん!
「お前ら、走れ〜〜!」
真を抱いて、くさいビニール袋を手に、なんとか最終便にすべり込んだ。
満員の車内、においが迷惑にならないか、気が気ではなかった。
途中の駅で、ゴミ箱をみつけて、やっと一安心。

さて当然のごとく、ロープウエーを降りてから、フェリー乗り場まで、
また真くんの鹿とのおたわむれにつきあって1時間。

僕らは真っ暗な海を見ながら、宮島を後にしたのでありました。

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