地球子舎(てらこや)
遠泳
2020年7月22日
長い梅雨が明けた。
世の中、コロナでどこの学校も水泳中止と聞く。
あー、この暑さの中、水にも入れないとは・・・。
おうちえん、てらこやの夏は、水三昧。
川プールに、海、海、海っ!!
世の酷暑とは無縁のてらこやだけど。

今年も遠泳の日がやってきた。

“自分を超える“がテーマ。
一昨年の遠泳から今年で3回目。
http://www.oh-shita.com/terakoya/blog/95.html

僕は水泳の授業が苦手だった。
クロールや平泳ぎのタイム、型通りの泳ぎ、苦しかった記憶しかない。
だけど、泳力向上や技法を目的とせず、この子たちのように小さい時から水に接せていたら、たぶん違っていただろう。
この子たちは、年々水と友達になっていく。
おうちえん時代、ライジャケ着て、水に浮くことから始まって、
まず水に慣れると、深いところも自由に行けるようになり、
顔がつけれるようになると、魚を追いかけて泳ぎ回り、海の中のすてきな世界を知る。
そして早い子は年長さんになるころは、浅瀬でライジャケなしに挑戦するようになって、
ライジャケがなくても、いや、ないほうが自由に泳げることを知る。
そして、小学生。
潜ったり、飛び込んだり、遊びの中でどんどん水と仲良くなり、
いぬかきっぽい泳ぎ方から、自然と平泳ぎっぽい泳ぎ方をみんな体得していく。
誰も教えないのに、だ。
もちろん個人差もあるし、みんながそうならなければならないわけでもないけれど。
それぞれのペースで、水と友達になっていく。

遠泳は、タイムや距離を競うわけではない。
ただ、前の自分より水の中に1秒でも長くいられるように、自分への挑戦だ。
疲れたら、浮かんで休んで、
息を整えたら、足のつかない深い海をまた進む。
だけど、進んだら進んだ分だけ、前より超えた分だけ自分の自信になっていく。
そして1時間以上水の中にいたものだけが味わう、水と友達になっていく、ひとつになっていく感覚。

2年前、ライジャケなしの1.5キロを必死でなんとか泳ぎ切ったHは、今年は先頭でみなを引っ張る。

今年は往復3キロを泳いで余裕の子が5人も。


去年は初挑戦1.5キロ必死だったUもYも、今年は余裕。
今年初挑戦のAは、必死に、何度も挫折しそうになりながらも、1.5キロ完走。

(Aの伴奏は僕だった。途中苦しくて、僕の持ってる非常用のライジャケに何度も手を伸ばしてきたけど、「大丈夫、まだいける、あおむけになって息整えて」と言っては、渡さなかった鬼(^^;)でも、やり切った!!)
初挑戦の子は、みんな最初苦しそうなんだけど、だんだん力が抜けて、後半になるころには、安定してくるから不思議。

そして、前日まで10メートルを泳げなかったIが、なんとなんと1.5キロを泳ぎ切った。

てらこや今年最後のI。
今年はなんとしても泳げるようになりたいと、海に行っては、練習してたI。
でも、気持ちはあるけど、昨日まで10メートルも泳げなかったのに。
根性で泳ぎ切ったIは、ゴールして浅瀬に来て、立ち上がろうとしたら、よろよろと腰が抜けてしまった。
そんなになるまで限界を超えて泳ぎ切ったIにみな感動だった。
肩を貸しながら、「もう、卒業だね、おめでとう」と心で言った。

ライジャケ組も、ラスト10メートルを脱いで挑戦したり、
復路も行くと合計3キロ泳いだり、
顔を水につけれなかったKが途中30回もつけれるようになったり、
それぞれがそれぞれの挑戦をやりきっていった。
今年の遠泳も、みんないい顔だ。

「遠泳のなにが楽しいの?」
Mの母が、Mに聞いたらしい。
そしたら「達成感!!!」だって。

てらこやの夏が始まった。

by あつお

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