地球子舎(てらこや)
TPP 
2018年2月12日
祝島を望む
祝島を望む
 
 
 
 
 
 
石のベッドが心地いい
石のベッドが心地いい
浜で作った汁
浜で作った汁
 
 
てらこやにもTPPが発足してる。
環太平洋パートナーシップ協定じゃない。
「てらこやピザプロジェクト」。
略して「TPP」。
ピザを食べたいから、ピザに必要なものを一から自分たちでつくろうプロジェクトだ。
とはいっても、チーズもオリーブオイルもとなると、牛飼ったり、オリーブの木を植えたりからしなくちゃいけなくなるから、できる範疇で。
子どもたちがつくるつもりでいるのは、小麦、塩、トマトだ。
秋、小麦を蒔いた。
そして、今回は塩つくり。

近くで一番きれいな海水を汲みたくて、今月の弁当の日、上関の田の浦に行った。
(2011年福島の事故があるまで、原発の工事を強行に進めようとする中電と自然や生命を守ろうとする人たちとでせめぎあっていた場所。)
目の前に浮かぶ祝島。
後をみれば、柵に囲まれた中電用地が相変わらず広がってはいるが、
暇そうな警備員が一人たたずんでいるだけだった。
あの喧噪が嘘のような静かな浜辺。
限りなく透きとおった海。
8年前と何も変わらない景色がここにある。
あの日々の中で守られたものもたしかにここにあるのだと実感する。

女子たちがはだしになって水を汲む。
男子たちは石と砂で即席のかまどを作り、火をくべる。
波の間に聞こえるおうちえんの子たちの元気な笑い声。
側らでは、石で作ったベッドの上でマッサージ屋も。
ゆるやかに時が流れていく。

思えば、おうちえんをつくろうと思った直接的な動機は、この予定地工事の阻止行動だった。
http://www.oh-shita.com/slowlife/blog/487.html
人の心が、つながりが、引き裂かれていくことがひたすら哀しかった。
社会を根底から変えていきたいと思った。
それからは、この田の浦にはあまり出向かず、自分のすべての力と時間をおうちえんを創ることに集中させた。
あれから8年。
てらこやも始まり、子どもも大人も自分自身でいるとはどういうことなのか、毎日を向き合っている。
小さな小さな営みだけど、動いた分だけ、世界は変わってきているのだと確かな実感がある。

ふと、はだしになって水を汲む女の子の姿が巫女さんにみえた。
火と水と。
祈りにも似たその風景をながめながら、
ここにある変わらないものと人の心に、そして8年の日々に感謝をささげる。


おっと、TPPの話だった。
一日浜で少し煮詰めた海水とそのままの海水を持って帰り、翌日、一日ひたすら煮詰め、
10分の1になったころ、白く濁った硫酸カルシウムを漉して取り出す。
みんなで舐めてみる。
にがっ!
のどが一日ひりひりした。
次回は、いよいよさらに煮詰めて塩を取り出します。

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