半農半菓
家づくりのここまで(2)
2003年11月18日
ケーキ屋の一年で一番忙しい年末を終え、新しい年を迎えた。

出来かけの家での家族団らんのお正月。
とりあえずの暖房にと、数千円で買ったブリキの時計型薪ストーブが大活躍。
けれど、建具もなにもない家は、焚けども焚けども暖まらない。
ガンガン薪をいれて、溶鉱炉色の薪ストーブの前にみんな寄り添った。
鉄が溶けないか、ドキドキだった。
男どもは、3代そろって火遊びに夢中。
けれどこのストーブ、安物だけどなかなかの優れもの。
火の中には芋を投げ入れ、トップになべとアミををかけ、雑煮をつくり、もちを焼き、あっという間にお腹がいっぱいになった。そして1月も半ばを過ぎたころ、いよいよ本命の薪ストーブがやってきた。

オーストラリア製のオーブンがついてるやつ。
冬は薪のエネルギーだけで、暖房と料理ができるようにと、これだけは奮発した。
今回の改装で、屋根の次に金額の大きかったもの。
本体20万と煙突20万。
けど、大事に使えば、一生もの。
石油の輸入が止まったって関係ない。
だから、まっ、いいか。
天窓をつけたとき、要領はわかったから、屋根を抜いて煙突を通すのも、簡単だった。
未だ、雨漏りはしていない。
以来、人が来るたびに、みな自然と火に寄り添いながら、話をするようになった。
きっとこれから何十年、人々を暖めてくれるだろう。

2月、壁塗り。
さかん屋さんに習いながら、毎週毎週たくさんの人が壁塗りに来た。
この家の壁を崩したときに出た土。しっくい。去年のわらやもみ。
これを水で練って、塗っていく。
しっくいは塗ってすぐと一週間後、一ヵ月後ではまったく色が変わる。
どんどん白くなるのだ。
だからそれを計算にいれて、かなり濃く調合するのだが、思ったような色になかなか落ち着かない。
練るたびに配合を変えて、塗り、乾いた色を見て、また配合を変えて・・・。
おかげで我が家の壁は各部屋ごとに色が違う、壁もすべて塗った人が違う。
わら入り、もみ入り、赤土入り、黄土入り、土2割、4割、8割、・・・しっくいメーカーの配合カタログみたい。
でも意外と子どもたちが塗った壁、味があるんだよなあ。

3、4月は店が忙しくて、ごぶさた。

5月。
トイレの改装に着手。
もとからあった簡易式水洗トイレは残した。
これだと、糞尿は肥料として使える。
今まで汚物として流されていたものが、ここでは宝物に変わった。

6月、7月は田んぼが忙しいので、休憩。

8月、建具の張替え。
ふすまはすべてばらして、さん木には漆をぬり、取手は桜の木をはめた。
和紙を張って出来上がり。
ぼろぼろのふすまが見違えるようになった。

脱衣所に洗濯機を置くことにした。
でも狭くなるから、壁をぶちぬいて、埋め込み式に。
ビニールクロスの床は、風呂上り、べたべたして気持ち悪かった。
ついでに天井から床まで杉板張りにした。
脱衣所改装費、しめて杉板代1万5千円也。
業者に頼んでたら、いくらかかったことやら。
壁をぶち抜いて、基礎をつくって、、、20万円は超えてたろう。

まだまだ縁側も途中だし、戸も直すところはいろいろあるけど、とりあえず、今回畳も入ったことだし、いよいよ、住み始めまーーす。

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