半農半菓
麦刈りに思う
2003年11月18日
麦秋来たり!!
この言葉がピンとこない時代になった。

6月、田んぼは田植え一色、山の木々も緑に染まる中、我が家の田だけが、黄金色に染まる。
恒例になってきた我が家の麦刈りも毎年大勢の家族連れで賑わう。

麦を刈る人。
ピザを焼く人。
子どもと遊ぶ人。
笛を吹く人。
あぜに座って話す人。
首飾りを作る人。
皆が思い思いのことをしながら、のどかな時間が進んでいく。
そうして気が付いてみれば、麦刈りという一連の大仕事が片付いていった。
畑には笑顔と笑い声だけが、響き渡る。

そんな風景を眺めながら、想う。
世の中のすべての仕事が、こうやって進めていけたら、なんて素敵だろう。
ノルマも強制も義務もなく、ただ皆がやりたいことをする。

アフリカで滞在していた自給自足の村では、こうやって社会が成り立っていた。
炭焼き名人、ヨーグルト名人、歌を歌う名人、ケーキ名人、
誰もが何かの役割を持ち、生き生きと自分の役割を演じていた。
そんな大人たちに囲まれて、小さな子供たちも生き生きと育っていた。
お金にはほとんど縁のない生活に、なんと安らかで、懐かしい、幸せを感じたことか。

少しずつ、少しずつ、私の足元から、
そんな社会を創り出していこう。

ページアップ