わらと星のホテルで
2019年11月4日
高学年女子、MとGとAから電話が入る。
「あっつん、今日の夜空いてる? わらの家に泊まりたいけえ、一緒に泊まってほしいんよ。 えーのができたけえ」 正直、半分面倒くさい気もしたけど、子どもたちの頼み。 夜8時、用事を終えて駆け付けたら・・・。 なんとなんと、ほんとにすてきなわらの家が! 僕との交代を待っていたAの母Yちゃんが寒いの限界って感じで待ちわびていたのを横目に、子どもたちは薄いTシャツ一枚で暑いって感じ。 昼に作ったわらの家が素敵すぎて泊まることにしたけど、夜の寒さに備えて夕方からずっと大改造をしていたらしい。 床の厚みを増し、壁を厚くして。 しかも僕用のカプセルホテル(風)まで隣に作ってあって。 そりゃ、この寒さの中、せっせせっせとわらを運び、忙しく動き回っていたんだろう。 心からも体からも熱気がほとばしってる。 晩御飯の弁当を食べたら、寒いからさっさと寝ようということになった。 3人はワラの家の部屋に入り、おしゃべりタイム。 ワラの隙間から洩れてくる明かりが暗闇に浮かぶ。 あつお用カプセルホテルに入ってみる。 寝袋がちょうどすっぽり入る三角の空間、 厚さ30センチはあろうかというふわふわワラの床。 気持ちいい。 あったかい。 ふわふわ。 こぎたてのワラのいい香り。 そして満天の星空。 顔の部分だけ星が見えるようになのかワラの屋根がない。 さすがにこれでは夜露でびしょびしょになるかもと、顔の上の骨組みにわらをまばらにかけてもらう。 ワラの隙間から星が見える。 十分だ! 星を見ながら、心地よい感覚に包まれたまま、深い眠りへと誘われた。 朝、鳥たちのさえずりとともに目が覚める。 キャンプのテント泊でも味わえない、自然と一体となったこんな気持ちのいい夜を過ごしたのは、いつ以来だろう。 誘われたとき乗り気でなかったこの一夜、 誘ってくれた3人に心から感謝の朝だった。 今、高学年女子群が輝いてる。 先週は、5人の女子がてらこやで一週間のサバイバルキャンプ。 おうちえんの庭にテント張って、山野草などてらこやにあるもの、もらったものだけで食事を朝昼晩つくって、山から山ほど枯れ木を引きずり出してきては、かまどの煙が立ち上る。 毎晩きゃっきゃと茅葺の家から楽しそうな声が聞こえてきていた。 そして今回のワラのホテル。 次から次へと仲間とやりたいことを実現し、いい顔してる。 今を満喫してるなあ。 p。s。 この朝僕の中では、大きな発見があった。 えんどう豆?の気持ちがわかったのだ。 畑に育ってきたえんどう豆の苗を霜から守るために、よくわらを数本上からたらしてる。 けっこう隙間だらけだけど、あれで霜が完全にふせげるのかなあと思ってた僕。 今回僕の頭の上部には、星が見える程度にすきすきにワラがたらしてあった。 こう隙間だらけではたぶん朝には多少なりとも濡れてるだろうとは思ったが、星を見ながら寝たいがために覚悟していた。 ところが、翌朝、まったく濡れてなかったのだ。 隙間だらけなのに。 外はどこも夜露でびしゃびしゃなのに。 どういう仕組かわからないけど、隙間だらけでもその隙間に夜露は落ちてこなかった。 なるほど、豆の霜よけがあれでいいのは、だからなんだ! 子どもたちにこの感動を熱弁したけど、共感ゼロ(^^;) でもいろいろ感動の朝でした(^^) |