生まれて死んでまた生まれて
2018年5月29日
「生まれた、生まれたーー!!」
Sが興奮気味に叫びながら、駆け込んできた。 みんなが一斉にヒヨコ小屋に走っていく。 ニワトリが抱いていた卵がついに孵ったのだ。 ピーピーピーピー、声がきこえる。 じっとみてたら、2羽のかわいいヒナの姿が時折親鳥のお腹からのぞく。 ニワトリが卵を抱き始めて一か月あまり。 その間、昔のウサギ小屋を改装して落ち着いて卵をあたためるための専用小屋にしたり、 青大将に侵入されて温めていた卵を4〜5個丸呑みされて、ニワトリは恐怖で温めるのを放棄したり、 でもまた違う卵を温め始めたので、またヒヨコ小屋に引っ越しして見守ってきた。 その卵がついに孵ったのだ。 子どもたちの喜びようといったら。 そりゃそうだろう。 1年前生まれたばかりのヒヨコから子どもたちが温度管理しながら育ててきたニワトリが産んだ卵から孵ったんだから、孫みたいなもんだ。 そして、夕方、・・・。 「またヘビがはいっとるーー!!でていかんー!」 Sが息を切らして、泣きそうな顔をして呼びにきた。 ヘビ対策をしたはずだったのに、入られていた。 対策が甘かったのだ。 行って、つかまえて引っ張り出す。 生まれたばかりのヒヨコの姿はなかった。 2メートルはありそうな青大将のお腹は膨れていた。 子どもたちの落胆といったら、いうまでもない。 天国から地獄へのような一日だった。 親鳥はヒヨコ小屋を飛び出して、戻ることはなかった。 ニワトリ小屋では、別のニワトリが卵を抱き始めていたので、 翌日かすかな望みをかけて、まだ孵ってなかった他の卵をそっとその下に潜り込ます。 そして1週間以上たってのこの日、2羽のヒヨコの誕生となった次第。 生まれること、死ぬこと、生きること、 身近に感じられる毎日がうれしいと思う。 今、ヒヨコたちは親鳥と一緒に新築のヒヨコ小屋に引っ越して、のびのび暮らしてる。 毎日、おうちえんの子どもたちがいろんな草や虫をあげて、いたれりつくせりの模様。 そして、ヒヨコ小屋では、別のニワトリが卵を温め始めている。 |