半農半菓
意識的に生きる(7)  〜今、ここ〜
2008年2月5日
ケニアの夕暮れ
ケニアの夕暮れ
20歳のとき、大きな自動車事故にあいました。
同乗者4人、相手の車に乗っていた人、みな重症だった中で、なぜか助手席の僕だけがかすり傷程度の怪我でした。
猛スピードの2台の車が交差点で激突する瞬間、その前、おそらくほんの数秒、
永遠の時間のように感じました。
相手の車に近づいていく一瞬一瞬をコマ送りの影像のように、今でも強烈に憶えています。
コマ送りの合間合間に、走馬灯のようにいろんなことを思い出しました。
あのときたしかに時間は別の流れ方をしていました。

アフリカで地平線のかなたに沈んでいく太陽に見とれていたとき、
あのときも時間はゆったりと流れていきました。
田んぼで、あるいはまき割りの合間、一陣の風がさっと頬をなでていったときも。

そうかと思えば、やらなければいけないことに追われていると、あっという間に時間が過ぎていきます。

時間は一定ではなく、伸び縮みすると見破ったのは、アインシュタインです。(たぶん・・・)
光の速さに近づくほど、時間の進み方は遅くなっていく。
時間って、何なんでしょう。
少なくともいえるのは、僕らが日ごろ信じ込んでいるように、時間は一定の速さで、過去から現在、未来に向かって流れているただ一本の道、というわけではなさそうです。
僕の今の理解では、
時間というのは僕らを3次元という観点から捉えたときだけの幻想で、本来時間というものは存在しないと思ってます。
うーーん、こう書いてもわかりにくいですよね。
実在するのは、今ここという瞬間だけ。
そして今この瞬間の意識が次の瞬間を創造し、僕らはその中を歩いているので、まるで時間が流れているように感じるのではないかと思ってます。
映画の一こま一こまを想像したら、わかりやすいですよね。
日ごろ一定速度で歩いてるので、時間は一定に流れているように感じますが、
時々、今という瞬間に心を奪われているときは、意識がこの時空間の中を進む速度が濃密になるので、時間の流れ方が遅くなるように感じるというわけです。
昔、地球が2次元、平面だと考えられてたとき、空が回ってるとみな思っていました。
宇宙を3次元的に考えて、地球を球体と考えて初めて、僕らのほうがが回っているという理解に達します。
それと同じように、
時間は、3次元的な理解では、一方向に時間が流れているようにしか感じれませんが、もう少し上の視点からみてみると、
違った理解と説明ができるようになります。
つまり、今という瞬間の連続の中を僕らの意識のほうが、動いてるのです。
どのような未来も、今という意識の中に、自分が決定して、創造している可能性があります。
言い換えれば、どのような未来も、今ここから僕ら次第で創り出せる、ということです。

わけわからないし、そんなの、今の現実に役に立たないって・・・?
そうかもしれません。
そうでないかもしれません。
でも僕には役に立ってますし、もうじきそういう理解の必要な時代になってきているような気もします。
現実に現代の宗教ともいえる科学の世界で突き当たる、いろいろな矛盾点は、3次元の視点を超えることで、すべて解決がつくようになりつつあります。
それは、またいつか次元の話をするときに・・・。

経験上いえるのは、時間がゆっくりに感じているとき
(たぶん誰にでもあるはず・・・)
不思議な、平穏、安心感、の中にいる、ということです。
ケニアの夕暮れでも、田んぼでも、あの事故の最中でさえ。
共通してるのは、その瞬間に意識が集中していたということ。
頭がめまぐるしく思考していなかったということ。
そんなときほど、安らぎと、至福感に包まれたような感覚に包まれていました。。

逆に、明日のことに憂えたり、昨日のことを悔やんだりしてるときは、当然、幸せ感はないです。
忙しくしてるときも、頭の中は数分後の段取りと数時間後の予定でいっぱいです。
共通してるのは、意識が、未来や過去に飛んでいて、今にないこと。
そして頭の中で、いろんな思考が飛び交っていること。

なにか、ざわざわしてる、いらいらしてる、心地よくない感覚を感じてる自分にはっと気づくことがあります。
そんなときは必ず心は、過去の何かにとらわれているか、
先の何かに不安になっています。

どうやら、幸せというものに近づくコツは、
今という瞬間に、意識の焦点をあわせること。
頭の中を空っぽにすること。
そこらへんにありそう、な気がします。
ケニアから帰ってからの僕のこの10年は、今に意識をあわせる練習をすることの連続だったような気がします。
いつもそれができているとは決していえませんが、というか程遠いですが、前と比べると少しずつそうできるようになってきました。
そしてそれにつれて、ケニアで味わったあの至福に似た感覚を日常の中に見つけることも多くなってきたのも、事実です。

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