半農半菓
ありがとう、翁
2008年9月3日
ちょうどクレームを受けた次の日、自然農法の元祖、福岡正信翁が亡くなられた、と風の便りを聞きました。
僕のこの直播のやり方は、福岡さんのやり方の再現を試みてるのです。
ちょうどそのやり方にクレームがついたこと、
翁の他界。
奇妙なシンクロに、もしかしたらなにか意味があるのかもしれません。
それは、もうこんなやり方はあきらめろというサインなのか、
それとももっと進化させろというサインなのか、
印に解釈をつけるのは、個人の自由。
僕は後者を選びたい。

「不耕起直播」という究極の超省力自然農法の夢。
翁の夢に魅せられて、たくさんの人が自然農法の扉を開きました。
そのままのやり方を継承してる人は、僕の知る限りほとんどいません。
きっとたくさんの人が試みたはずだけど、できなかったのだと思います。
でもその経験をヒントに、たくさんの人が独自のやり方を考えていき、
今実践されているいろいろな自然農法が生まれていきました。
川口由一さんの自然農もその一つだと思います。

自然の中では、全盛をほこった前の草が枯れて朽ちていったその亡骸の積み重ねの上に、次の生命たちが育っていきます。
前の生命の経験と人生すべてが、次の生命の命の糧となり、それらを育む。
翁の歩んでこられた道とその後の展開を考えるとき、
その自然のサイクルそのものだなあと感じます。

そしてきっとどの人の人生も同じこと。
どんな人生も歩みも経験も、次の生命たちの糧となり、学びとなるはず。
自然のサイクルを考えるとき、今自分がどんな歩み方をしていても、
たとえ何かがうまくいってなくても、
そこに意味があり、役目があるのだと今の自分に自信を持つことができます。
そんないろいろなことを気づかせてもらった翁の歩みに、
心から、ありがとう。

さて、僕は、
もう少し、翁の追った夢「不耕起直播」と戯れてみたいと思います。
今年の直播は大失敗だったけど、
もう僕の頭の中は、来年はこうしてやろう、あれをああして試してみようというワクワク感でいっぱいです。

ページアップ