半農半菓
木舞土壁
2008年11月17日
いよいよ土壁を塗る準備。
まずは木舞を編むことから。

もう5年前になるかな。
エッセイに土壁のことをちょっと書いた。
http://www.oh-shita.com/slowlife/essei/5.html

現代という性急な時代の中で、見かけることの少なくなった土壁。
断熱性に優れ、
火に強く、
湿度調整してくれて、
耐久性もある。
遮音性も高い。
と、高温多湿の日本の気候風土に適した最高の壁素材だが、
手間と時間がかかること、しいては、コストがかかることが、敬遠されていった唯一の理由のようだ。
確かに職人さんに頼めば、現代ではとても割高な壁になるが、自分たちで施工するのなら、
これほどいい壁素材はない!

そして、木舞つくりと壁塗りだけなら、自分たちで充分つくれる壁技術でもある。
もちろん、そこにある土で、練り具合、肌合い、色、強度をだすには、高度な左官技術が要求される。
それにここらは石と砂が多く、近くに壁に適したほどよい赤土などの土が見当たらない。
探す時間と気力もないし・・・(^^;)
今回の場合は、土は業者に練った土を持ってきてもらう。
そして単純だけど時間のかかる、木舞つくりと壁塗りをこちらでやることにした。

今住んでいる家の壁は、基本的にもとからあった土壁にしっくいを上塗りした。
が、5,6枚の壁は腐ってたので、土壁を塗った。
(不思議とコンクリートモルタルが塗ってあるところは、壁の中の竹や木が腐っていた。
コンクリートは一見よさそうだけど、湿気を吸って、家をダメにすることがよくわかった。)
壁を解体しながら、木舞がどうやって編んであるか、観察し、そのとおり新しい木舞を編んだ。
が、もうかれこれ6年以上前。
作業に夢中で写真もとってないし、記憶があやふやだ。
それに完全に我流だったので、今回は正式なやり方をネットで探して、職人さんにも聞いた。
ちなみに参考にしたサイトは
http://homepage2.nifty.com/sekkeisya/sakan1-sz-arakabe.htm

今日から2週間を目処に、午後、壁を塗る予定。
(午前中はもちろんケーキ屋業です、一応・・・。)
前半は、ひたすら竹切り、竹割り、木舞編み込みかな。

「土壁」で調べたら、以下の説明のサイトがあったので、参考までに。



 「土壁」をより理解するために、まずは左官(さかん)工事全般の説明から始めます。左官工事とは本来、各地域で産出される可塑(かそ)性のある天然の材料を主材料として、混和材やのり、すさ、骨材などを現場で調合し、床、壁、天井などに必要な厚さを塗り重ねていく工事を指していました。

 しかし、塗りや調合の高度な技術と知識を身につけた左官工が減り、また家づくりも工期短縮とコスト削減が最優先となった現代では、左官仕上げといっても、伝統的な工法はほとんど見られなくなり、既調合材(左官材があらかじめ調合され、現場で水を加えて練り上げて使用する)が主流となっています。既調合材の良い点は、質や性能が安定し、作業性や乾燥に優れていることです。

 また、従来の左官仕上げでは難しかった、水や洗剤で洗える性質が加わった材料も出てきました。ビニールクロスなどメンテナンス性の良い建材に慣れた、現代人のニーズに対応した製品です。しかし、利便性を求めるあまり、本来は自然素材で人にも環境にも優しい材料であるはずの左官材に、様々な化学物質が混入される事態にもなっています。

 土壁は、各地域で産出される土を用いて施工されるため、ローカル色に富んだ多種多様な材料や工法があります。その主材料となる土の産地や種類、左官下地を含む施工技法によって、性能や仕上がりの表情にも違いがあります。

 共通した特徴は、防火性、断熱性、遮音性、吸放湿性、耐久性に優れ、高温多湿の日本の気候風土に合うという点です。最近になって特に注目されているのは、断熱性能と調湿性能で、複数の実験結果からも、外気温の影響を受けにくく、1日の温度と湿度の変化が穏やかであるという証明がされています。また、下地処理材や混和材に、可塑剤やVOC(揮発性有機化合物)、有害な防腐・、防カビ剤が入っていなければ「健康にも良い(身体に害がない)」材料です。

 気になるのは、費用と日常のメンテナンスです。まず費用は、ビニールクロス張りと比較すると、ビニールクロスの場合は1平方メートル当たり1200〜1500円(材工)であるのに対し、土壁は同5000円〜(材工、下塗りを含む)となり、約4倍以上の差があります。

 メンテナンスについては、自然素材であればあるほど難しくなります。土壁の表面は傷や汚れがつきやすく、また強くこすれば、ぽろぽろと落ちてくることもあります。いったんついた傷やひび割れの補修にはかなりの技術を要するため、軽いものであれば、経年変化と割り切る必要もあります。

 「土壁」といっても、伝統的な工法に基づいた木舞(こまい、※1)下地の上に、地場で産出した土を現場調合して施工するものから、石こうラスボード(※2)の上に既調合材を施工するものまで様々です。

 土壁にするかどうか決める際は、予算、性能、風合い、シックハウス対応などのこだわりや希望事項を整理して、優先順位をつけてください。それらを依頼先(住宅メーカー・工務店)に伝えた上で、適切な材料や工法を提案してもらうと良いでしょう。

※1木舞:小舞ともいう。竹を縦横格子状に組んで、わら縄で堅固に編んだもの
※2石こうラスボード:表面に下塗りのつきを良くする半貫通のくぼみがある石こうボード

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