半農半菓
7月の自然農講習会
2009年7月12日
草刈り後の田、っていうかまた途中撮り忘れてた(^^;)
草刈り後の田、っていうかまた途中撮り忘れてた(^^;)
ほとんど草が抑えられてるところ
ほとんど草が抑えられてるところ
隣は無数のヒエ
隣は無数のヒエ
今月の自然農講習会は、草管理。
今日、集まったのは、10数名の大人と、その子どもたち。
みんな意外に草の生えてない田んぼに、驚いていたようだ。
そりゃあの田植えのときの草を考えたら、みんなこれで大丈夫なのかなと思ってたろうから。

僕の教えるのは、横着自然農。
草刈りの作業をなるべくしないですむようなやり方だ。
うまくやれば、田植え後、稲刈りまでほとんど草刈りに入らなくても、いいくらい。

川口さんの自然農の場合、
草に応じて、稲が負けないように草刈りに入る。
田植え後の水管理は、溝の水がなくなれば、また水を入れて、という繰り返し。
土の中は、水分もあり、酸素もありで、稲の根にとっては最高の状態。
だから立派な強い稲になる。
あらゆる生命たちと共生しながら、目的の稲をつくる、
その思想に共鳴し、たくさんの人たちが自然農に興味をもつ昨今。

ただし、田の表面に水があったり、なかったりなので、草は相応に生える。
場所によっては半端じゃない。
稲と競合する草がはびこり、草管理が遅れれば、稲の分けつが遅れ、収量がガクッと減る。
そうならないように、場に応じて適時に草刈りに入ってやらないといけないのだが、
1畝2畝ならともかく、1反以上になるとその作業量は膨大になる。
不耕起にして数年の田は、特にだ。

僕は10年前、自然農を2反の田んぼから始めた。
最初の1,2年、7月8月は毎日毎日草刈りに追われ、それでも草に負けていき、
草をかき分けて稲刈りし、収量はごくわずか。
その時の経験がけっこうトラウマになってて、あの一番くそ暑いときに草刈りに入るのはなるべく避けたいと思うようになった。
2反もやってれば、全体的に草に負けていても、一部にはなぜかあまり草が生えてないところもある。
数年観察を続けていくうちに、そういう場所に共通の要素がわかってくる。
草の種類と草の量、そして水の深さ、だ。
自然農はやりたい。
でもなるべく草刈りの手間は省きたい。
そんな僕の横着さと面倒くささから、僕流になっていったのが、今のやり方だ。
詳しいことは、自然農を楽にするポイント を読んでほしい。
だから、ほんとは自然農と呼ぶには、
川口さんの自然農を崇拝する人には、語弊があるかも。
一部、大下流になってるからね。

ま、そういうポイントを押さえて、水管理をすると、結構草を押さえられる。
それでも間を縫って生えてきている草をちょいちょいと刈ってやる。
耕して足をとられる普通の田んぼの草取りは、ハッキリ言って超きついが、
自然農の草刈りは、これくらいの範疇の草刈りなら、気持ちイイ。
僕にとって気持いいんだから、たぶん誰にとっても楽で気持ちいい範疇だと思う。
去年耕した田んぼの草取りに泣いたMさんも、
「これなら気持ちイイ」との言。


今回みんなの草刈り練習に使ったのは、
Mさんの自然農の田。
ここは、去年まで僕が直播の実験田に使ってた不耕起田。
ここ2年失敗続きでほとんどヒエがぎっしりはびこっていたところ。

今回6月半ばの田植え前、
すでに足もとにヒエが無数に芽生えてた。
だからここは、押し倒さずに、刈り敷いて、なるべく早く田植えをし、すぐに深水を張ったところ。
みごとにほとんどのヒエは、抑えることができた。

ちなみに同じ田の中の使ってないところは、無数のヒエの草原になっている。
もし、押し倒しただけでやってたら、こうなってたろう。
この一か月草刈りに追われてたに違いない。

この部分と比べると、いかにこのやり方が草を押さえてるかよくわかる。
割合でいくと、98〜99%抑えれてることになる。

さて、ここから先は、深水をキープする必要はなく、浅くていい。
もう稲の分けつが負けてしまうことはないから。
本来の自然農の水管理、なくなったら入れて、を繰り返すだけで十分になる。
あっという間に、生き物の楽園になってくる。

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