急がばまわれ
2009年8月22日
ひよこもすっかり大きくなってきた。
もう胴体だけでも、両手をふくらませたくらいある。 親鳥たちが自由に外で遊んでるのを見てる彼らは、もう外に出たくてたまらない。 だからといって外に出してしばらくすると、すぐにカラスがやってくるので、目が離せない。 だから、毎日ちょこっとだけ外にだしてやる。 離れるわけにもいかないので、けっこう観察してしまう。 そうするとヒヨコはやっぱりアホだなと思う。 餌をついばむのに夢中になってる間に、 仲間がみんな金網の向こう側に行ってしまうことがよくある。 金網越しの仲間のところへ行きたいんだけど、行けない。 ちょっと回ればいいだけなんだけどね。 視野の問題なんだろうか、頭の問題なんだろうか。 金網越しに前へ前へと一直線。 だけど行けなくて、しばらくうろうろする。 だいぶん経って、あきらめたころ、 やっと数歩下がって、しかたなく一人で歩き始めると、 はじめて、金網の向こう側への道を発見。 めでたく、合流。 こんなドラマが毎日繰り返される。 いい加減学べよと言いたいが、 もう数歳のはずのオスの大ちゃんも毎夕、金網越しにうろうろしてるから、ね。 ヒヨコだから、でもないみたい。 さて、僕らも、鳥だから、といっては笑えない。 あそこに行きたい、ああ成りたい、○○を実現させたい。 だけど、何度トライしても、目に見えない壁にぶち当たる時。 同じ壁にぶち当たる時。 一念岩をも通すというくらいだから、それでもやり続けるのもいいかもしれないけど、 もし、それに疲れたら、 一度手放してみる。 あきらめてしまうのではなく。 無気力になってしまうのでもなく。 手放すと、今まで見えなかったものが見えてくる。 それは、一歩下がって視点が広がるのと似ているのかもしれない。 視野を、次元を変えて、物事を見てみると、 思いもかけぬ入口が、口をあけて待ってる、かもね。 ヒヨコちゃん、ありがとう。 |