半農半菓
真夜中の埠頭にて
2009年10月4日
午前3時の田名埠頭。
秋雨の合間をぬって、最高の中秋の名月となったこの夜。
月を愛でながら、埠頭にたつ。
天頂に輝くプレアデス(昴)。
釣り人の向うを流れ星が横切る。

後ろにある丘は、神花山。
昔は神火山と呼ばれ、沖に見える馬島の向こうまで、不思議な燐火が無数に浮かぶことがあったそうだ。
( 注:燐火  墓地や湿地で発生する青白い火。人魂(ひとだま)。鬼火。狐火(きつねび)。)
今は街灯や船や対岸の家々の灯りが、きらめくだけだが。

神花山の頂には神花山古墳がある。
石棺からは、壮年の女性がでてきたと聞く。
そして、ふもとの神社に祀られてるのは、「木花の佐久夜姫」。
千年以上の昔から、ここに眠り、見守ってきた姫は、
何を想いながら、この状況を見守ってるんだろう。

この神社と古墳を遠近多くの神社が指し示しているのも興味深い。
田名にもし来ることがあったら、神花山にもおいでませ。

ちなみに田名の由来は、「種」だそうだ。
この地で今起こっている流れの中で、
なんの種を蒔き、
なんの芽が育っていくのだろう。
それは僕ら次第なんだろうな。

                       


(防長風土注進案・佐賀村より)   

 神火山
 月の下弦の頃闇夜に風波ある折節、燐火出て風に向ひて浮かみ行く事、馬嶋の外海までにおよぶ、はなはだしく奇怪なり、火の数の多少は時々不同あり、それ故に此の山を神火山と云いしをその後音読にて神火山と云い付す。又、後に文字を誤りて神花山と書けり。付けり、此の浜辺に種の俵石といへる全形備わりし名石あり、誠天工自然の奇物也。

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